緑岡の戸建てリノベーション
data
期間 |
|2023年(基本設計) |
所在地 |
|茨城県水戸市 |
用途 |
|事務所兼住宅 |
規模 |
|コンクリートブロック造 + 木造 2階
|
延床面積 |
|131.35㎡ |
昭和41年頃に地方住宅供給公社により建てられた築57年・コンクリートブロック造+木造の戸建住宅のリノベーション計画です。
太平洋戦争が終結した昭和20年代初頭は日本国内の住宅が不足し、昭和25年に住宅金融公庫法、昭和26年に公営住宅法、昭和30年に日本住宅公団法が制定され、住宅不足の解消の一翼を担いました。
昭和40年には「住宅の不足の著しい地域において、耐火性能を有する構造の集団住宅及び宅地の大規模な供給を行う」ことを目的として、地方住宅供給公社法により、茨城県でも地方住宅供給公社(以下:地方公社)が設立され、年間400戸以上の分譲住宅が建設されました。
本物件は、地方公社が発足されてすぐに建てられてたコンクリートブロック造の平屋建ての建物に木造で2階を増築したと思われる混構造の建物です。
コンクリートブロック造は、耐火性には優れていますが、結露しやすいというデメリットがあり、当時は断熱材もありませんでした。
そこで、既存構造を活かしつつ、外断熱改修と窓の改修を行う計画を考えました。
2階は、プライベートスペースのため、木造の構造体を現した温かみのある空間に、1階は、パブリックスペース(事務所+フリースペース)のため、コンクリートブロック造を現した無機質な空間としました。
住宅街の中ではあるものの、近隣に個人店舗があったり、小中学校がすぐ近くにあることから、1階のフリースペースはスタートアップを兼ねた場所として貸し出します。
一時代を築いた地方公社の分譲住宅が、住宅ストック時代の今、時代を超えて「再分譲住宅」のモデルケースを目指しました。