大森山王の集合住宅

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竣工 |2024年
所在地 |東京都大田区
用途 |共同住宅・長屋
規模 |WRC造・地上3階
戸数 |14戸
延床面積 |755.01㎡
意匠設計 |株式会社アラキ+ササキアーキテクツ
協働設計 |nackle design office
構造設計 |株式会社ブレン設計事務所
機械設備設計 |積水工業株式会社
電気設備設計 |株式会社EMA設計
施工 |株式会社フェイスネットワーク
photo |imagegram inc. 渡辺良太郎
AWARD |GOOD DESIGN AWARD 2024
 ー 山王の3棟 ー

東京都大田区山王の閑静な住宅街、起伏のある街中の高台に囲まれた谷地に位置する敷地に建つ集合住宅の計画です。
敷地の南北には住宅やアパート、西側は狭い水路を挟んで住宅が立ち並び、隣地側に開くだけでは良い環境が得られない周辺条件でした。
また、周辺街区に公園がないことから、住民の”公園”となるような場所になるよう考えました。

そこで、谷地に空気が滞らないように、高台からの風が通るようにボリュームを分割し、分割された建物の間に、憩いの場となる小さな公園(中庭)をつくるボリュームとしました。
分割した棟は、変形した形状となるため、圧迫感が出ないように曲面と斜めの外壁により、空気の流れや各棟が繋がるような構成としました。

地上階は半地下とし、隣地と距離を取ることで専用庭が生まれ、各住戸グランドレベルとつながるRCカウンターにより、地表を身近に感じられるようにしました。
曲面の外壁は、内部では柔らかい広がりのある空間を生み出します。
また、分棟にしたことで、各住戸のプライバシーを確保しつつ、風や光を取り込めるような開放的な住戸プランとしました。

外部・内部共に仕上げのカラースキームは、アースカラーでまとめて土着的な印象にすることで、街や庭との調和を図るとともに、容積率は使い切ることで、クライアントの要望に応えつつ、効率的になりすぎない建物計画としました。

谷地・周辺に公園がない・低容積・厳しい高さ制限といったネガティブな与条件を、いくつかの建築的解決策によりポジティブな特徴へと転換し、心豊かな暮らしの提供を目指しました。